はじめに
主婦、パート、フルタイム。全部経験してみて分かったのは、どれが正解ということはなく、何を優先するかで見え方が全然違うということ。ここでは「お金」「時間」「子どもとの関係」という3つの軸で、3つの働き方を比較していく。
お金・経済面
フルタイムは、お金がもらえる。ボーナスもある。自分へのご褒美が買えるし、ネイルやまつげエクステに罪悪感を感じなくていい。働き始めた当初は、保育園児と幼稚園児を預けている費用を引くと手取り7万円だった。それでも夫の母には「キラキラしてるわ」と言われた。
パートは、フルタイムほどではないにしても収入はある。ただし給与は少なく、休みも少ない。
主婦は、収入ゼロ。それだけじゃなく、子育ても家事も介護も「やって当たり前」とされ、お金はもらえないし評価もされない。そして見落とされがちだけど、主婦には産休がない。働いているママは妊娠すると産休に入り、いつも通り上の子を保育園に預けながら生まれるまで一人で過ごせる。生まれたあとも朝から夕方まで預けられる。でも主婦にそんな制度はない。保育園の一時預かりはあるけど、頼れるのは産後1か月くらいが限度。
2番目が生まれたときは車がなかった。上の子は男の子で、いないと預け先が落ち着かない。産後でお股が痛いのに、自転車に乗せて一時預かりに送り迎えしていた。送迎の間、生まれたての下の子はマンションの管理人のおじちゃんおばちゃんが預かってくれた。今思えば、借りられる手を全部借りて、綱渡りみたいな日々だった。
お金という軸だけ見れば、フルタイム>パート>主婦ではっきり差がつく。でもフルタイムのお金には代償もある。それは次の「時間」の話で分かる。
時間・自由度
主婦の一番の魅力は、時間に追われないこと。朝は二度寝できるし、満員電車に乗らなくていい。子どもが急に熱を出しても慌てなくていいし、自分の体調が悪い日は無理をしなくていい。平日の空いてる時間にふらっと出かけられて、ママ友ともゆっくり付き合える。
でも、一人の時間はほとんどない。買い物も、着替えも、トイレでさえも、どこに行っても子どもが一緒。
パートは、時間が短いぶん、自分がやりたいこと(ライフワークや子育て)にもう一つ時間を使える。この「ちょうどよさ」がパート最大の強み。
フルタイムは、子どもを預けられるから体が楽。着替えもトイレも、何かを取りに行くのも、へばりつかれることがない。自由で、仕事が終わるのも早い。
ただし代償がある。一番大変だったのは子どもの急病。市の病児保育は枠が少ないから、夫の両親を頼ったり、保育士が1日家に来て看病してくれるサービスを保険代わりに契約していた。朝熱が出てもその日のうちに対応してもらえるけど、1日分の自分の稼ぎがそのまま消えていく感覚。3日頼むくらいなら遠方の両親に新幹線代を払って来てもらったほうが安い、というママ友もいた。
一番恐ろしいのは感染症。家の中で順番にうつっていくと、1か月まるごと仕事を休むことになる。だからうちでは、誰か一人がかかったらとにかく隔離・消毒・共有禁止を徹底していた。
子どもとの関係・罪悪感
主婦は、子ども同士をたっぷり遊ばせてあげられるし、ちゃんと目を配って面倒を見られる。その一方で、ワーキングママからは「暇でしょ」と見られて、「ちょっと見といて」と頼まれることもある。
パートは、先生という仕事で言えば行事に関わることが少なく、自分のクラスを持てるわけでもない。担任を経験したあとだと、どうしても物足りなさを感じる。
フルタイムで一番苦しかったのは、我が子と向き合う時間とパワーが残っていないこと。仕事で他人の子どもを目一杯見たあとは、自分の子はほったらかしになりがちで、それがすごく嫌だった。だから小学校では担任ではなくパートを選んだし、幼稚園でも担任ではなく時間講師を選んだ時期がある。
後編では、この3つの働き方それぞれの「心のあり方」と、具体的なエピソード、そして「結局どれを選べばいいのか」の答えを書いていく。