夫婦は「対等なチーム」って、正直かっこよく言いすぎてる説はある(笑)けど、うちの結束が固い理由を話します。
出会いはパキスタン。決め手は「セブンイレブン理論」
夫とはパキスタンで出会って、結婚しました。異国の地で、しかもかなり若いうちに即決。理由を聞かれるといつも答えるのが「セブンイレブン理論」です。
イトーヨーカドーみたいに商品がずらっと並んでると、目移りしすぎて結局何も買わずに帰る。でもセブンイレブンなら、パッと欲しいものを手に取ってレジに直行できる。選択肢が少ない環境だったからこそ、迷わず決められたんだと思います。お互いに。今思えばずいぶん潔い買い物でしたが、いいお買い物でした。
深夜帰り、海外出張、ワンオペ上等の日々
結婚してからずっと、夫の深夜帰りは当たり前でした。「その働き方、おかしくない?」と会社の文句を言ってみたり、「二人でご飯も食べられないなら結婚した意味ある?」なんて手紙を玄関に置いてみたり。若かった…。子どもが生まれてからも2週間の海外出張はしょっちゅうで、平日不在は日常仕様。
それでも乗り越えられたのは、私が専業主婦だったから。「仕事の忙しさに比べたらマシ」「時間に追われなくていい」と自分に言い聞かせ、お金を稼いでもらってるんだから家のことは私がやろう、と割り切りました。週末の公園通いだけが心の支えだった時期もあります。若いかわいい奥さんだった。今考えると、あれはあれで戦友との連帯でした。
キャリアを手放した不公平感、正直あります
海外赴任について行く形で自分のキャリアを手放したことに不公平感がなかったかと言われれば、正直あります。だからこそ、その都度ちゃんと言葉にして夫に伝えてきました。「いいなあ、あなたはイギリスで修了証がもらえて。私は子育てしても何の証明書も出ないんだよ」と、冗談まじりに、でも本気で。
夫は「家のことはやってよ」と一度も言ったことがありません。私が地味に好きなのは、彼が自分の仕事の話を私にしてくれるところ。教育とは畑違いの仕事なのに、ちゃんと話してくれる。「どうせ話しても分からないだろう」と思われていないんだな、というだけで、なんだかうれしい気分になります。
子どもが小さいうちの会話は「業務連絡」オンリー、それでいい
子どもが小さいうちは、夫婦の会話なんて「業務連絡」ばっかりでした。ある時、珍しく祖父母に子どもを預けてもらって夫婦でランチに行ったのですが、いざ二人きりになると会話が成立せず、なんとも言えない気まずい空気が流れたのを覚えています(笑)。
大丈夫、大丈夫。そういう時期なんです。そこに対策なんてありません。ただその時期が過ぎるのを待つのみ。その後にやってくる「外食できるようになったね〜!」「二人で出かけられるようになったね〜!」を、楽しみに取っておきましょう。
「駐在マジック」に感謝しなさい、夫よ
駐在生活の中で、夫がやたらとかっこよく見えてしまう瞬間があります。私はこれを「駐在マジック」と呼んでいます。同じ日本人だから、数ヶ月先に赴任してて土地勘があるから、空港事情に詳しいから——海外生活には噂も価値観もいろいろ渦巻いていて、その中で本当に信頼できるのは結局夫婦だけ、という状況が「マジック」を発動させるのです。
正直に言うと、うちの夫はこの「駐在マジック」のおかげで実力以上に頼れる男に見えているところがあります(笑)。日本にいたらただの少し不器用な人なのに、海外だと急に「頼れる旦那さん」の称号を手に入れる。夫よ、駐在に感謝しなさい。
引っ越し、海外赴任、出産、そして子どもの不登校と、うちは越えてきた山がとにかく多い夫婦です。だからこそ結束が固くなったのだと思います。夫婦喧嘩らしい喧嘩は、あまりした記憶がありません。夫が少し年上で、冷静で聞き上手な性格だからかもしれませんが、単純に喧嘩している暇がなかった説も濃厚です。
対等なパートナーでいるための、たった3つのルール
聞かれたら、いつも3つだけ答えています。
- 無視という手段は取らない
- 喧嘩しても「行ってらっしゃい」までにはなんとかする
- 毎日、食卓を囲んで話す
夫は、私が専業主婦だからといって「節約しろ」と言ったことは一度もありません。休みの日に美容院へ行くと言えば「帰りにお茶でも飲んでくれば」、「タクシー使いすぎ技じゃないの」とつぶやけば「そっちも使えばいいじゃん」と返してくる。ありがたいやら、心配になるやら。
妻が活躍することを良く思わない夫もいると聞きます。「お前にそんなことできるのか」「資格取ってどうするんだ」と。でもうちの夫は、いつも背中を押してくれます。再就職を考えたときも全面協力でした。
「マンツーマンはもう無理だ、ゾーンディフェンスだぞ」と真顔で言い出した、あの夫です。あの頃と比べたら、今の彼は別人のように家族というチームの一員として動いています。すごい成長。夫育ても、なかなか上手くいったんじゃないでしょうか(笑)。
Weaver(機織りどり)の夫婦関係
アフリカにはweaverと呼ばれる鳥がいます。巣の形が特徴的なのですぐにわかります。オスが巣を一生懸命作ります。出来上がると、メスが中に入り、新しいか、網目が細かいか、頑丈かなど悪天候や天敵から守るために厳しい目でチェックします。そして、気に入らなければ出ていって無視。オスは諦めて作った巣を自ら壊し、また巣を何度でも作り直す。けなげ〜。人間が家を買う時はそんなことはできないですよね。すごいわ〜、どんないい女なんだろう。
愛は冷めても、尊敬は冷めない
大学時代、お世話になった先生に、結婚相手の話をしていたときに言われた言葉があります。「尊敬できる相手を選ぶこと。愛は冷めるけど、尊敬は冷めないから」。
当時は「ふうん」くらいにしか思っていませんでしたが、20年以上この人と歩いてきた今、その言葉の意味が骨身に染みて分かります。うちの夫婦がここまで来られたのは、愛情うんぬんより先に、お互いへの尊敬がずっと土台にあったからなのだと思います。