見慣れない野菜たち
イギリスだろうとアフリカだろうと、見慣れない野菜に囲まれて料理するのはいつも大変だ。日本にはない野菜や果物もあれば、同じ種類でもアクが強かったり、味がしなかったりする。
これまで住んだどの国でも、ごぼうやれんこんに出会ったことがない。ナイジェリアでは大根もまだ見かけていない。ほうれん草は葉っぱだけの種類。いんげんはそのままの状態で売られているので、筋を取るのに時間がかかる。全体的に皮が硬い野菜が多く、包丁を頻繁に研ぐはめになっている。小松菜もない。油揚げもない。
牛乳は、新鮮そうなものを選ぶと、なんだか家畜の匂いがして、カフェオレに入れたらカフェオレごと捨てることになった。パキスタン時代にヤギ乳で作ったフレッシュなチャイを飲んだ日本人のお姉さんが「毛の味がする」と言っていたことを思い出した。ロングライフタイプに変えたら、それは大丈夫だった。日本の牛乳は日持ちするけれど、海外の牛乳は開封すると3〜4日で傷んでしまう。
卵は6、12、24、36個入りのものがある。黄身の色が白っぽい。当然だが生卵としては食べられない。あれは日本の管理技術の素晴らしさでできること。ちなみに外国人は卵の食べ方は細かく注文するが生で食べることは好まない。蛇みたいなので気持ち悪がられる。
一方で、果物は種類も豊富で値段も安い。アヴォカドもたくさん食べられる。南アフリカ生まれで大の果物好き、日本では値段の関係で「何切れまで」と制限をかけていた末っ子は大喜びで、贅沢なスムージーを作ってくれている。
肉と魚
肉について言うと、イスラム教徒が人口の半分近くを占めるせいか、豚肉をほとんど見かけない。以前読んだ本には、豚肉は傷みやすいから人々を守るために禁じられた、という説もあれば、不浄なものとされているという説もあった。鶏肉はもも肉が骨付きのまま売られているので、骨を外してから切る必要がある。
魚介類は、出汁を取るための食材という位置づけなのか、売られてはいる。ただ、生のまま籠に入れて歩いて売られているのを見ると、正直怖くて手が出ない。
南アフリカにいた頃、マグロを日本に輸出していたけれど、内陸にある首都までは届かなかった。冷凍の技術も、冷凍のまま運ぶ技術も足りていなかったからだ。
番外編:ごまの国
これは買い物とは少しずれるけれど、面白い話を知った。日本のごまの97%は、実はナイジェリアから輸入されているらしい。日本政府の残留農薬検査がとても厳しいそうで、それを通すのが大変だという話も聞いた。試しにこちらのごま油を買ってみたけれど、濁っていて、いい香りもしなかった。あの澄んだ琥珀色の、香り高い日本のごま油は、厳しい基準をくぐり抜けた、選ばれたごまだけが作れるものなのかもしれない。