幼稚園の先生という仕事
幼稚園の先生って、若いイメージがありますよね。一昔前までは、結婚したら退職して家庭に入り、子育てをする。働くならパートで、という考えが当たり前だったそうです。小学校教員から見たら、正直もったいないことです。
でも幼稚園の先生でいいなと思うのは、子どもたちが「また会いたいな」って思ってくれるところ。小学校以降は、好きな先生・嫌いな先生がはっきり分かれるでしょう?あと、ぎゅーっていっぱい抱きしめられるところ。小学校以降の教員には、これはできません。
先輩の言葉で、印象に残っているものがあります。「子どもは、その場でやりなさいと言ってすぐできるものじゃない。日々、ティッシュのような薄いヴェールを一枚ずつ重ねていくように繰り返し教えて、日々の積み上げでできるようになるのです」。とても大切にしている言葉です。
主婦からフルタイムへ
4番目を幼稚園、5番目を保育園に迎えに行きながらのフルタイム。我ながらよくやっていたと思います。でも、主婦からフルタイムに復帰するのは、本当に大変でした。自分に価値なんてあるのか、雇ってくれるところなんてあるのか、と。南アフリカ共和国にいた頃からエージェントに登録して、資格をいっぱい書いて送って。一番最初に来た連絡は、タクシー会社の運転手の仕事でした。なんでやねん!
久しぶりの緊張するし大変だけど、主婦よりは何倍も楽でした。トイレは一人で行ける。着替えも一人でできる。「ちょっとあれ取ってこよう」もすぐ終わる。精神的にも肉体的にも、自由~!
とはいえ、最も辛かったのは、フルタイムで仕事したあとが「終わり」じゃないことでした。帰りに2ヶ所に迎えに行く。音読を聞く。ご飯を作る。お風呂に入れる。もう一仕事やらないといけない。迎えがあるから、残業ができない。計画と時間との戦いでした。我が子が可愛い時期に、どうしてバタバタしながら他人の子を見ないといけないんだろう、と思うこともありました。保育園に入れるには1歳までに入れないと空きがなくなる。でも保育園は年齢が小さいほど大人の数が必要になる。もし「2歳に絶対入れられます」って確保してくれたら、みんなもっと可愛い我が子と過ごしたいんじゃないだろうか、保育士不足の助けになるんじゃないだろうか——そんなことを、悶々と考えていました。
見えなかった景色、役に立った経験
主婦から働き始めて、驚いた景色があります。私が思っていた朝の景色じゃなかったのです。パパたちが一生懸命育児をしていました。スーツを着てベビーカーを押していたり、赤ちゃんを抱っこして保育園の荷物と自分の荷物を持って歩いていたり。かっこいい自転車じゃなくて、キーキーいう錆びたママチャリで子どもを乗せていたり。特別支援学校のバスを待つ親たちが、本当に穏やかで温かい挨拶を交わしていたり。主婦の時には見えていなかった景色でした。なんだかこれが、キラキラして感動したんです。
我が子の幼稚園は一ヶ所じゃなかったから、勤めた園の強みと弱みが自分の目でよく見えました。私の1年目は、海外から帰ってきたばかり。会話に英語が混ざったり、アイディアがぶっ飛んでいたり。一緒に学年を組んでくれた先生方には、本当に感謝しています。今でも仲良しです。
自分がこの園風に合っていたかどうかは、正直置いておいて。でも、幼稚園ママを経験してきたからこそ、他のママたちの主婦としての大変さ、初めての子育て、小学校に上がる不安、仕事をしたい気持ち、きょうだいの悩み、本当によくわかりました。ずっとやりたかった、ママの育児相談にのることが、私は大好きでした。
幼稚園で働いている時にはわからなかったのですが、保育園で働いてみて、幼稚園教育の素晴らしさがよくわかりました。またそのあと小学校で働くのですが、保育園幼稚園出身の子たちがよくわかりました。また、これは幼稚園保育園の時に身につけてほしいなあ、先生が保育の中で身につけられることなんだけどなあと思ったこともたくさん見えました。いつか架け橋プログラムに関わってみたいです。