世界のどこでも子は育つ〜5カ国×5人×元教員ママの子育て記録〜猫の話

動物たちと歩んできた、5カ国の暮らし

パキスタンで暮らしていた頃、知り合いのところで生まれた子猫を一匹もらいました。名前はチャイ。オスです。

ある雨の日、チャイの姿が家の中に見当たらないので庭に出てみると、ガードマンの小屋の前で雨宿りしていました。そばには、頭から顔にかけて傷だらけの、薄汚れたメス猫が一匹。病気持ってたら嫌だなあと最初は渋っていたのですが、チャイが何日も律儀にそばを離れないので、根負けして家に入れてやることにしました。

数日経って傷が治ったら、あの薄汚れた猫、まさかの美人猫に変身。ギンティ(鈴)と名付けました。

やがて二匹はキッチンでくっつき合うように。すると夫が「電気消してあげよっか」なんて気を遣って、コーヒー片手にそそくさ居間へ避難していくのです。動物にまでプライバシー配慮する夫、律儀すぎます。

その後ギンティが妊娠。私が長男の出産で一時帰国している間に、誰の手も借りずソファの下で産んでいました。母親学級もない、助産師もいない。それでもちゃんと産めるんだから、生き物ってすごいなあと素直に感心しました。

夫が寂しそうに教えてくれたのですが、あんなに寄り添って寝て、毛繕いし合ってたチャイとギンティなのに、ギンティが子どもを産んだ途端、チャイが近づくと「シャーッ」て威嚇するようになったそうです。ご飯食べて、用足して、さっさとどこか行っちゃう。「君もそうなるんだね」って、夫がしみじみ言っていました。

「へ?なんかいるよ?」——夫の了解なく増えていく生き物たち

正直に言うと、結婚してからこっち、ハムスターも金魚も猫も、夫に相談なく私が勝手に増やしてきました。帰宅した夫が「へ?なんかいるよ?ねぇ?」って困惑するの、我が家ではもうお決まりのやり取りです。お世話したい母性が溢れまくり期が定期的にくる私。

赴任先だと、前任者や前の家主からペットをそのまま引き継ぐこともよくあります。パキスタンでは、ラブラドールレトリバーみたいな大型犬とカメを引き継ぎました。

居間のソファで、まさかの5匹同時出産

南アフリカでは、子どもの担任の先生の飼い猫の子猫をもらってきました。この子はよほど家族に気を許してくれてたのか、家族全員が集まる居間のソファの上で、突然お産を始めました。

ちょうど陣痛が始まった頃、3番目がマインクラフトでダイナマイトを爆発させて、爆音を響かせてました。今それ?ってちょっと思いましたが、家族みんなで固唾を呑んで見守りました。お腹が収縮して、一匹目誕生、胎盤が出て、それを猫が食べる。しばらくして二匹目、また胎盤、また食べる。「一匹につき胎盤一個あるんだ、お腹いっぱいになりそうだねえ」なんて言いながら見てたら、最終的に生まれたのは5匹。ま〜一人一匹ね!

「生まれました〜」ってFacebookに写真付きで投稿したら、実はその少し前にうちの5人目の子どもが生まれていたのに、その報告をまだしてなかったことをすっかり忘れていて。おかげで「ん?猫より、なんか一人増えてません?」っていう驚きのメッセージが、それはもうたくさん届きました。

命がつながっていく場所で

猫の出産も、人間の出産も、5カ国のあちこちで、いつも家族のすぐそばで起きてきました。動物たちの命がつながっていく様子を、子どもたちと一緒に見守れたのは、教科書には絶対載っていない、最高の学びだったと思っています。それにしても、うちの出産報告の順番だけは、もう少しきちんとするべきだったかもしれません。

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