前編:習い事の送迎卒業しました。
我が家の習い事のねらいとルール
我が家には(正確にはママの中に)、習い事のルールがいくつかあります。
まず一つ目、選ぶときのルール。自分で行って帰れる場所であること。送迎が必要な習い事は、基本的に選びません。だって、私の時間は私の時間ですから。子どもの習い事のために、親が疲れて時間が消えていくの、私には無理です。送迎×人数分、できるかぁ~!!
二つ目、習い始めたら1年間は辞めない。入会金、道具代、結構かかりますからね。「入ってみたけど違った」とかで、すぐ辞めるのはナシ。すぐできるようになるものばかりじゃないんです。知り合いのお金持ちの息子さんのお友達なんて、しょっちゅう何かを始めては1、2ヶ月で辞める、を繰り返してました。私が「あれって何の力がつくんだろうねえ」って言ったら、息子が「諦める力じゃない?」って。そうか、そういう力も必要だもんね……。習い事で培いたい力って、家庭によって全然違いますよね。
3つ目、スポーツと音楽をそれぞれ一つずつ身につけること。両方とも、人生を豊かにしてくれるものだからです。スポーツは一生の健康を作り、音楽は年齢に関係なく一生楽しめる。スポーツと音楽があれば、大人になっても話題に困りません。それに、スポーツの世界と音楽の世界って、集う人たちの雰囲気も価値観もまったく違うんです。両方の扉を持ってれば、それだけ普段出会わないタイプの人たちとも、自然につながっていけるんじゃないかと思っています。
4つ目、できるだけ同じものを習わせない。これは私自身が飽き性(いろんなことに興味がある、とも言えます)だから、というのもありますが、同じものを習わせると優劣がついてしまうと思うからです。それぞれ違うものをやらせることで、きょうだい同士がお互いを尊敬し合う場面が増えます。強いチームでベンチを温めるより、弱いチームでも試合に出てスポーツを楽しいと思うこと。これを我が家は大事にしています。もしかしたら、いつか家族でバンドが組めるかもしれない、なんて密かに期待もしています。
送迎はゼロでも、度胸は満点だった話
私自身のピアノは、上手とは言えません。それでも、ピアノが弾けるおかげで、海外の学校で伴奏者としてボランティアをしたり、コーラス部の伴奏者としていろんな国の人たちと関わったりできました。
一つ、大変だった話があります。パキスタンにいた頃、参加していたインターナショナル・クワイヤーのメンバーから、「伴奏者を探している人がいる、あなたを紹介したから」って言われて、なんとなくしか聞き取れない英語のまま、引き受けちゃったことがありました。その方に実際に会って話を聞くと、1週間後にホテルで1、2曲歌う予定で、しかも過去にブロードウェイで歌ったことがあるという方。人手が足りない環境だと、こういうことも起きるんです。英語も正確に聞き取れないまま、度胸だけでその舞台に立ちました。
イギリス編で、シュタイナー学校のママ友から「You are brave(あなたは勇敢ね)」って言われた話を書きました。あの時の私は意味も分からず辞書を引いたわけですが、今振り返ると、あの言葉、私の人生のあちこちで当てはまる気がします。英語もろくに分からないまま、ブロードウェイ経験者の伴奏を1週間で引き受けた、あのパキスタンでの度胸も、きっと同じ種類の「brave」だったんだと思います。うまいかどうかより先に、まず引き受けてしまう。飛び込んでしまう。下手なピアノが私に開いてくれた扉は、いつも「勇気を出せば、なんとかなる」ってことを教えてくれていたのかもしれません。
私はずっと、タップダンスに憧れていました。田舎育ちだったので、そんな教室ありませんでした。それが、5人目を産んだ後に見つかって、教えてもらえるというので、他の子どもたちも連れてスタジオに通い、5人目を背中におんぶしたまま習い始めました。どこまでもBrave!