ナイジェリア Day11:校長室のピカチューとスタンプラリー保護者会

3段階評価と言いたい通知表

ナイジェリアには日本人学校がない。「インターナショナルスクール」を名乗る学校がいくつかあるけれど、今回住む地域の現地校は、レベルとセキュリティの両面で、今の学校を選ぶことになった。

入学するには、過去3年分の通知表を提出しなければならない。それを見た瞬間、正直「上の子、受かる気がしない」と思った。中学校は5段階評価だけれど、本音を言えば3段階評価ですと提出したいくらいだった。

緊張をほぐしてくれたピカチュー

無事に入学が決まり、校長先生との面接があった。中2の息子は珍しくガチガチに緊張していた。

ところが校長室に入ると、机の上に置かれていたのは、沖縄のエイサー太鼓を持ったピカチューのぬいぐるみ。校長先生は休暇で日本に行ってきたばかりだったらしく、その一言で一気に空気がゆるんだ。

「何か質問はありますか?」と聞かれた息子は、こう尋ねた。

「何を食べたら、そんなに身長が高くなるんですか?」

校長先生はアメリカ人で、身長200cm。この質問に、校長先生は爆笑していた。

そして最後にこう言ってくれた。「最初はちょっと大変だと思うけど、学校もスタッフも君の学校生活を全力でサポートする。あとは君次第だ。努力できるかい?」

この期に及んで、拙い英語で「コミュニケーションは頑張るけど、勉強はやりたくない」と正直に言おうとする息子。母は目で圧をかけ続け、結局その場は私が上手に(?)英語でまとめておいた。

41カ国、そして優しさ

この学校には今、41カ国から生徒が集まっている。もう地球の縮小版。とはいえ私に判別できるのは、中国、韓国、インド、白人、黒人、というざっくりした括りだけ。2〜3年で外国人の子は入れ替わっていくらしく、英語が話せない親子が新しく入ってくることに、スタッフも子どもたちもすっかり慣れている様子だった。

うちの子たちは口を揃えて「みんな優しい」と言う。以前、同じ会社の先輩ママからインターナショナルスクールでの人種差別の話を聞いたことがあり、正直心配していた。でも日本語が話せる先生や、日本で働いた経験のある先生もいて、想像以上に安心できる環境だった。

ビビりだと思っていた子が

心配していたのは実は二人とも。でも意外な反応が返ってきた。

てっきりビビりだと思っていた下の子は、日本にはない「スナックタイム」(気分転換と空腹による集中力低下を防ぐため、中休みにフルーツやビスケットなどヘルシーなおやつを持参していい時間)にウキウキしながら登校し、「先生から全員お菓子付きのメッセージもらった!」と、嬉しそうに帰ってきた。

意外だったのは中2の息子の方。相当緊張していたのだろう、初日から2日目まではお弁当を一人で食べていたらしい。それが3日目には、お友達と一緒に食べるようになっていた。担任の他に常にもう一人先生がついてくれる体制のおかげもあって、想像より手厚いサポートを受けている。思春期のこの時期、言葉も話せないで転校。どれほど気が疲れただろうか。よく学校に行った、えらい!

空港並みのセキュリティ

学校に入るには、パキスタンの時と同じく、空港のような荷物チェックとボディチェックの機械を通らなければならない。セキュリティカメラは100台以上、学校専用の救急車まで1台完備されている。

驚いたのは、はさみやシルバーのカトラリー(フォーク、スプーン、ナイフ)の持ち込みが禁止されていること。お昼は弁当でも学食でもよく、最初の1週間は弁当を持たせていた。でもこの街には日本のようなコンビニすらないので、子どもたちにとって学食で好きなものを買うことが、ささやかな楽しみになっている。各国の料理が日替わりで提供されている。日本の給食メニューも私が子どもの時と違って色々な国のメニューが提供されている。あれって、日本人がいろいろなメニューを知るきっかけにもなるし、その国から来た子がうれしいからあるんだろうな。

3時間のスタンプラリー保護者会

語彙なんて夫の方が私の何倍も持っている。「いやいや教育のことは興味あるでしょう!」と夫に送られ、私が新年度の保護者会に参加した。中・高等部は、なんと3時間。

16時半からコーヒー、果物、ミートパイが用意され、まずは雑談タイム。雑談といっても、日本人いませんから!英語で、知らない人ばかりのところですよ!17時から校長先生の話が10分。そこから決められた順番で、各教科の教室を回っていく。各教室では先生の自己紹介と授業内容の説明をグループごとに10分聞き、5分で移動して次の教室へ。これをひたすら繰り返す。

もうこれ、完全にスタンプラリーである。各教室にスタンプか飴でも置いてくれ。最後に終わったときは、思わず心の中で「ゴール!!」と叫んでいた。

1枚のポスターだけで学校行事

1週間後にはプールパーティーが開かれた。案内は、時間だけが書かれた紙1枚。浮き輪はOKなのか、お昼ご飯はどうするのか、親も一緒に入るものなのか。何もかも謎のまま、とりあえず参加してみることになった。

各教科の授業内容については、また別の記事で書いていきたいと思う。

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