前編:東京の幼稚園、田舎モンの私は舐めてました。
地方出身、東京の幼稚園をナメてました
私は兵庫県出身です。東京の幼稚園事情、正直ナメてました。
基礎知識①:公立・私立、住む場所でこんなに差がある
まず知っておいてほしいのが、公立幼稚園と私立幼稚園の差。地方だと公立幼稚園が主流で、月謝1万円前後、しかも2番目は半額、3番目は無料みたいな自治体も普通にあります。
でも東京には公立幼稚園がそもそもない場所がたくさんあるんです。いくつも幼稚園はあるのに、全部私立。だから選ぶ余地がなく私立一択。入園金もかかって、月謝は3万円。「私立幼稚園に入れてる=お金持ち」ってよく言われるけど、実際は「選べないから私立」なだけの家庭も多いんです。子どもが3人いる家庭で、地方と東京で貯金額にかなりの差ができることはわかりますね。
基礎知識②:幼稚園にも「お受験」がある
そしてこれも知らなかったのですが、有名私立小学校につながってすらいない、ごく普通の幼稚園でも「受験」がある地域があります。
長男を幼稚園に入れた頃、朝5時に並んで受験の順番を取るシステムでした。下の子がいて、しかも妊婦。この状態でどうやって並べって言うんでしょうか。両親揃って紺色のスーツで面接。お腹が大きくてスーツが入らないことを理由になんとか誤魔化しましたが、こんな世界があるなんて知りませんでした。恐るべし東京。田舎モンの私、完全に舐めてました。
年度途中は入れない、というルール
イギリスから帰国したのは年度の途中でした。今でこそ、どこの幼稚園も年度途中の転入をわりと柔軟に受け入れてくれますが、当時は受験しても4月まで入れず、年中の子を半年間、家庭で保育することになりました。児童館、保育園、市のイベント、使えるものは全部使って蜜月の日々を乗り切りました。
でも正直に言います。専業主婦、嬉しかったのです。仕事1年目に比べたら時間に追われないし、子どもの相手をするなんて楽勝でした。幼稚園の登園時間は遅いから、朝8時に起きても間に合う。短時間でも負担が減るって、こんなにありがたいことかと思いました。東京出身でもなく転勤族だった私にとって、ママ友ができたことも本当に嬉しかった。
基礎知識③:幼稚園のいいところ
我が家は1番目から4番目まで、幼稚園に通わせました。
幼稚園のいいところは、とにかく愛情たっぷりなところ。子育てに真面目なお母さんがたくさんいて、お母さん自身も元気。私が通わせた園には「ママの部活」もありました。誕生日にはカレーを作る、遠足の引率補助、餅つきや運動会などの行事の手伝い、読み聞かせ——お母さんたちがガッツリ子どもの保育に関わっていく、子どもファーストな文化。
園から帰ると友達の家を行き来して遊ぶのが日常茶飯事。これがとても勉強になりました。子育て相談、ストレス発散、子どもがいる家のレイアウト、おやつに何を出すか、きょうだいとの関わり方、行けるイベントの情報交換。親付きで家を行き来するから、しつけもちゃんとできる。靴を揃えなさい、ご挨拶しなさい、暴れない、遊んだら片付ける、おもちゃの貸し借り——これ、保育園の子にはなかなかできないことだと思います。
24時間、子どもがくっついてる生活
大変だったのは、幼稚園ママって四六時中子どもをくっつけていないといけないことです。買い物に行くにも全員連れて行かないといけない。買い物メモにたった5個書いただけなのに、子どもが癇癪を起こして買えなかったこと、何度あったか。精神的ダメージ、100です。
トイレも開けっぱなし、着替えも開けっぱなし、お風呂も開けっぱなし。歯医者に連れて行くのにも、全員連れて行かないといけない。一人で歩くことが、ない。これ、地味にママたちを一番苦しめてる部分だと思います。
同じ幼稚園で3人目ともなると、同じことを3回繰り返すのはさすがに飽きます。うちはきょうだいの年の差が2歳だったので、途中で転園するのも無理。送迎と行事が2園分になっちゃうからです。
毎日のお迎えも、一列に並んで先生の話を聞いてから一人ずつ引き渡される方式。寝ている下の子を抱っこしながら並ぶの、正直きつかったです。毎日同じママと話すことも、そんなにない。
しかもたまたま通っていた園の方針で、新任の先生を担任にするんです。妊娠した、結婚して引っ越す、で先生がすぐ辞めていく。子育て相談なんてできるわけもなく、ママたちはひたすら我慢しながら先生を育てて、また新しい先生が来て、の繰り返し。ここに関しては、圧倒的に保育園の勝ちです。
ママ友の存在が、命綱だった
四六時中子どもがくっついてる生活の中で、幼稚園ママにとってママ友の存在は本当に大きいです。頼れるのは実家か、ママ友。「遊ばせとくからいいよ~」「たまには上の子とママの時間作ってお茶してきなよ」って、きょうだいを預かってくれる。この一言に何度救われたか。
私は社宅に住んでいたので、通わせる園はバラバラでも幼稚園ママがたくさんいました。夕方になると昭和みたいに、子どもを見守りながら一緒に遊んだり。「まだご飯できてないんだったら作ってきな~」「ばんご飯一緒に食べる?」「お風呂入ってく?」って声をかけ合ったり。ハロウィンをやったり、今日はこの家で読み聞かせ、今日はこの家でリトミック、今日はこの家でケーキ作りが得意なお母さんに作ってもらってお茶会、誕生日会——本当に充実した日々でした。
それでも
振り返ると、幼稚園時代のママ友は小学校に上がってからも心強い存在です。ママとの関係も深いし、自分自身も保育に関わってた分、「楽しかったな~」っていう記憶が、ちゃんと残ってます。今長男が20歳になります。振り返ってもこの幼稚園ママ時期が一番子育てが楽しかった時期です。